私たちが考える産業医とは


   産業医とは、企業などの事業場において労働者の健康管理などに対し医学的な立場から指導・助言を行う医師です。労働安全衛生法により、一定の規模の事業場には産業医の選任が義務付けられています。

   労働者にとって多くの時間を過ごす職場では様々な問題が起こります。業務内容に起因する疾病も少なくありません。そのため、労働者の健康の保持・増進を目的として、産業医には幅広い職務、権能が与えられています。

   実際に産業医が果たす役割は、健康診断の実施やその結果に対する事後措置、長時間労働者に対する面接指導およびその結果に基づく措置、労働者の作業する環境の管理、作業内容の管理、健康教育や健康相談など多岐にわたっています。

   さらに近年は過重労働などにより労働者の健康障害などが顕在化し、自殺にいたるケースが増加するなど大きな社会問題となっていますが、このような問題の深刻化を防ぎ、未然に予防するための措置としてストレスチェック制度などが企業に義務化されました。こうした制度を実際に実施し、事業主と労働者の間に立って問題解決にあたる役割も産業医には求められるようになってきました。

   2019年4月に「働き方改革関連法」が施行されたことに伴い、長時間労働やメンタルヘルス不調などにより健康リスクが高い労働者を見逃さないため、産業医による面接指導や健康相談が確実に実施されるようになるなど、産業医・産業保健機能を強化されました。また産業医のあり方も見直され、独立性や中立性を高めることにより、産業医が専門的な立場から労働者一人ひとりの健康確保のためにより一層効果的な活動が行いやすい環境が整備されました。

   このように心身の健康に関する専門的な知識を有し、労使双方に適切に助言できる独立した中立的な存在として、産業医に求められる役割は幅広くなり、日本社会、企業において私たち産業医の重要性はますます高まっていると言えるでしょう。



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